木材由来で車体も環境に優しいクルマを

-木材の成分を用いた自動車内外装部品の実用化へ-

杉から自動車のボンネットや内装部品を

商用化が困難だったリグニンに着目

リグニンは木材を構成する主要成分の一つで、木材成分の約3割を占め、化学構造の特徴として芳香環を含んでいる。芳香環を持つ素材には、耐熱性、難燃性などを発揮する優れた材料となる可能性があるものの、リグニンを利用した材料の本格的な商用化は達成されていない。

リグニン由来のガラス繊維強化プラスチックを開発

今回、森林総合研究所が開発した改質リグニンを樹脂成分として用いたガラス繊維強化プラスチック(GFRP)とその製造プロセスを開発した。GFRPの性能評価を企業と連携して進めた結果、改質リグニンを用いたGFRPが、従来のGFRPよりも引張弾性率が10~20 %向上した。また、20年間に対応する加速劣化試験後の引張弾性率も従来のGFRPより高かった。さらに揮発性有機化合物の発生がほとんどない、成型時の収縮がほとんどないなどの利点も確認された。

2020年代には杉由来の環境にやさしい自動車がブランド化?

紫外線、温度変化などによる自動車内外装部品の変化をモニター中であり、現在のところ不具合や劣化は発生していない。2022年に改質リグニンを用いた環境にやさしい自動車としてのブランド化を目指す。