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組込みシステム開発のフロントローディング化技術

■ 研究概要

鉄道の駅務機器は例えば大都市圏であれば120路線の1500以上の駅という規模を 取り扱わなくてはならず、また鉄道会社間の相互乗り入れの増加により非常に 複雑な仕様を実現しなくてはなりません。このような状況の中で、駅務機器は 公共システムとして高い信頼性を求められております。

本研究では、鉄道の駅務機器に搭載されるソフトウェアを対象として、現状の 開発工程の上流に存在している問題点を解決し、その信頼性を高める開発手法を 構築することを目標として企業との共同研究を行っております。

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■ 研究の特徴

日本語の仕様書の形式仕様記述言語による翻訳を行いました。形式仕様記述言語は、 数学的な理論を背景に設計され、曖昧さ矛盾を許さない言語です。本研究では VDM++という形式仕様記述言語を用いました。VDM++で記述された仕様書はプログ ラムの動的テストのように「仕様書テスト」を行うことができるという特徴があ ります。

VDM++で仕様書を形式記述することで

  • 1. 日本語の仕様書に存在した曖昧さ、漏れ等の問題点の指摘。
  • 2. 問題点を排除した厳密な仕様書の作成。

という効果が得られております。 さらに、形式仕様記述された仕様書と大規模な駅務データを利用して、「仕様書の 記述内容」と「その仕様書をもとに開発されたソフトウェアの動作」が一致していることを 確かめる大規模仕様書テスト環境を構築しました。仕様書テストは大規模な駅務 データや大量の入力データに対して複雑な判定処理を行うために、高信頼かつ高 速処理可能なシステムが必要となります。そのため、評価用に2種類の仕様書テ スト環境を構築し、大規模な評価工程にも耐えうるか評価実験を行いました。構 築したテスト環境をもちいた評価実験では、開発コストの増加を抑えながら、次 の効果が得られることが確認できました。:

  • ・ ピークコストを下げる → 開発のリスクを下げる。
  • ・ 上流工程の品質を上げる。
  • ・ 寿命の長い製品の品質劣化を抑える。

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■ 今後の展開

大規模仕様書テスト環境の評価実験で用いたテストケースは共同研究相手先企業が 実際のテスト工程で用いているものであり、テストケースに過不足がないかなど テストケースの品質に関しては考慮しておりません。今後は形式仕様記述した仕 様書を元に品質の高いテストケースの作成方法とそのテストケースの自動生成を 行うことを目的とした研究を行っていきます。

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